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日本ソフトウェア科学会

Japan Society for Software Science and Technology (JSSST)

ネットワークが創発する知能研究会

Special Interest Group on Emergent Intelligence on Network (SIG-EIN)


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更新2020年1月4日

主査/幹事

プログラム委員
更新2014年8月23日

PCメンバーOnly
更新2011年9月6日

論文番号: 05019 †

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関連情報群による情報ネットワークの特徴解析 †

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概要: †

World Wide Web上の情報は,関連する情報や,参照した情報と結びつきながら,情報群として成長していく.この情報群は,全体として情報ライブラリとしての 機能を持ったコミュニティを形成していると考えられ,この情報群を有効に利用できることは,Webでの情報検索や,成長モデルに関する理解にも役立つものと思われる. 本研究では,Web上の情報群の特徴理解のために,関連情報の結びつきをネットワーク構造としてとらえ,実際のWebのデータを用いて特徴解析を行う.

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キーワード: †

complex network, world wide web, information network

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査読表明: †

  • 【村田,2005-08-11 (木) 12:06:01】査読します
  • 【辻,2005-08-12 (金) 12:25:03】査読します
  • 【川村,2005-08-17 (水) 19:05:21】査読します
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査読結果:【氏名,日時】をヘッダーに付けて,下に書き足してください. †

【川村,2005-08-20 (土) 18:04:36】

  • 論文の主張に対するコメント
    • 本論文の主張は,以下の二点だと思います.
      • (1)関連する情報からなる情報群のネットワーク構造は,Web ネットワーク全体の 構造とは異なる.
      • (2)情報群に固有な特徴を解析することが,情報群の有効利用に寄与する.
    • まず(1)ですが,興味深い結果だと思います.ただし,(1)は「情報群の出次数分布等がべき法則に従わない」という実験結果で示唆されていますが,何を持って「べき法則に従わない」と見なすのか記述されていないため,根拠が希薄という印象を受けます.相関係数などの尺度を用いて判定する必要があるのではないでしょうか?
    • 次に(2)ですが,恐らくこれは今後の研究課題だと思います.しかし,特徴の解析がどのように情報群の有効利用に寄与するのかがイメージできません.具体的な展望があるのならば,記述すると良いでしょう.
  • 発表において議論したい内容
    • 情報群の出次数分布等はべき法則が崩れていると主張していますが,もしこれが真であるならば,何故,一般のWebネットワークと異なる構造を形成するのか,興味があります.恐らく,情報群が形成される過程のダイナミクスと密接に関連してると推測されますが,このことに関して議論したいと思います.
  • 論文の記述における疑問点など
    • 実験結果において,出次数分布は「直線構造が崩れた上部に膨らんだ曲線」と見なしていますが,同様の傾向を示しているように(私には)見える入次数分布の方は「べき法則を示している」と見なしています.両者を分ける根拠・指標は何なのでしょうか?直線性の指標として,相関係数等の表示はあった方が良いのではないでしょうか?
  • 論文をよくするためのポイント
    • 概要について:概要は論文全体の縮図になっている必要があります. 研究背景と実験内容に関しては記述されていますが, 実験結果および論文の結論に関しても記述すると良いでしょう.
    • 実験結果について:実験結果しか記述していませんが,そこから導かれる考察や結論の記述が不足しているようです.例えば,「情報群のネットワークの出次数分布はやや上部に膨らんだ曲線になる」という実験結果が得られていますが,この結果から何が言えるのか?もし,情報群のネットワーク構造が一般のWebネットワーク構造と異なると言えるのであれば,情報群ネットワークはどのような固有な構造を持っているのか? また,固有な構造を持つ原因は何か?以上のことに関しての記述があると,より深みのある論文になると思います.
    • 結論について:論旨に一貫性がないように感じられます.背景や実験結果で,情報群のネットワーク構造は,Web ネットワーク全体の構造とは異なることを示唆しておきながら,結論では,「情報群のいくつかの特徴解析においてべき法則が見られた」, となっています.情報群のネットワーク構造が一般のWebネットワーク構造と異なることを主張するのであれば,「いくつかの特徴解析においてべき法則が見られなかった」という結論になるはずです.

【村田,2005-08-22 (月) 20:19:05】

  • 論文の主張に対するコメント
  • 筆者はWWWにおける(Webページネットワークとは異なる)関連 情報群の分析を目標としています。関連情報群の定義が明確 になれば、読者にとって有益であると考えます。
  • 発表において議論したい内容
  • 3節で、リンクにおける種類やノードが持つ情報を考慮した 分析をするべきと指摘されている点は非常に興味深いと思い ます。具体的にどのような種類を想定すべきかなど議論する 内容はいろいろあると思います。
  • 論文の記述における疑問点など
  • 論文中で用いられている「関連情報群」という語は、単なる Webページのネットワークとは違うという意図で用いている と思うのですが、現状の実験結果からはその違いがよく分か りませんでした。
  • 論文をよくするためのポイント
  • 他のトピックに関するデータセットで、分布がITmediaと極端に 異なるような分析例があると面白いと思います。また、「おわり に」において筆者が述べられているように、時間的なネットワー クの成長などについて議論されると興味深いと思います。

【辻,2005-08-26 (金) 08:48:01】

  • 論文の主張に対するコメント
  • 「興味関係のリンク」と「参照情報関係のリンク」という分類は,一見するともっともらしく思えますが,自明ではないと思います.少なくともあるリンクがどちらか一方の意味しか持たないということはないと思いますし,また包括性をもっているのかは疑問です.分類の妥当性について若干議論を加えてみてください.
  • 発表において議論したい内容
  • 論文の記述における疑問点など
  • 本文冒頭の文章ですが,電力網・航空網・人間関係等々がネットワークとしてとらえられるようになった時間的順序ですが,この文章では,最後に人間関係がそのようにとらえられるようになったと述べているように読めます.しかし,社会ネットワークに関する記述は,少なくとも1930年代には見られますので,やや問題があると思います.おそらく,数学者・物理学者が関心を持った順序という意味での記述かと思いますが,それではややバイアスがあるように思われます.
  • 表2を見ると,第1位が「Google Yahoo! 検索エンジン」となっていますが,これは,実際にこれらについての「関連性のある」話題があったのでしょうか? それとも,分析対象となったページにそれらの検索エンジンについてのリンクが,必ずしもそのページの話題とは直接関連性がないにもかかわらず貼られていたのでしょうか? 前者であれば問題ありませんが,後者である場合には,そもそもそれらのリンクが分析対象に含まれることが問題ということにはならないでしょうか?
  • 参考文献の表記ですが,姓名の順序が姓−名と名−姓が混在しています.
  • 第2ページ右段第2パラグラフの4行目:「相互に関連しあっている情報結びついてできる〜」とありますが,「情報」と「結びついて」のあいだに,点か助詞が抜けていると思います.
  • 論文をよくするためのポイント
  • 途中で,「興味関係のリンク」と「参照情報関係としてのリンク」を区別しておられますが,その後,参照情報関係だけに分析を限定されています.これだと,いわゆる「情報の流れ」に関するネットワークについてのanother exampleを提示するだけになってしまっており,発見の新しさという点で弱い気がします.もしあれば,興味関係のリンクについても分析し,それらを比較されてはいかがでしょうか.

【氏名,日時】

  • 論文の主張に対するコメント
    • ...
      • ...
  • 発表において議論したい内容
  • 論文の記述における疑問点など
  • 論文をよくするためのポイント
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著者に連絡する査読結果: †

【査読者A】

  • 論文の主張に対するコメント
    • 本論文の主張は,以下の二点だと思います.
      • (1)関連する情報からなる情報群のネットワーク構造は,Web ネットワーク全体の 構造とは異なる.
      • (2)情報群に固有な特徴を解析することが,情報群の有効利用に寄与する.
    • まず(1)ですが,興味深い結果だと思います.ただし,(1)は「情報群の出次数分布等がべき法則に従わない」という実験結果で示唆されていますが,何を持って「べき法則に従わない」と見なすのか記述されていないため,根拠が希薄という印象を受けます.相関係数などの尺度を用いて判定する必要があるのではないでしょうか?
    • 次に(2)ですが,恐らくこれは今後の研究課題だと思います.しかし,特徴の解析がどのように情報群の有効利用に寄与するのかがイメージできません.具体的な展望があるのならば,記述すると良いでしょう.
  • 発表において議論したい内容
    • 情報群の出次数分布等はべき法則が崩れていると主張していますが,もしこれが真であるならば,何故,一般のWebネットワークと異なる構造を形成するのか,興味があります.恐らく,情報群が形成される過程のダイナミクスと密接に関連してると推測されますが,このことに関して議論したいと思います.
  • 論文の記述における疑問点など
    • 実験結果において,出次数分布は「直線構造が崩れた上部に膨らんだ曲線」と見なしていますが,同様の傾向を示しているように(私には)見える入次数分布の方は「べき法則を示している」と見なしています.両者を分ける根拠・指標は何なのでしょうか?直線性の指標として,相関係数等の表示はあった方が良いのではないでしょうか?
  • 論文をよくするためのポイント
    • 概要について:概要は論文全体の縮図になっている必要があります. 研究背景と実験内容に関しては記述されていますが, 実験結果および論文の結論に関しても記述すると良いでしょう.
    • 実験結果について:実験結果しか記述していませんが,そこから導かれる考察や結論の記述が不足しているようです.例えば,「情報群のネットワークの出次数分布はやや上部に膨らんだ曲線になる」という実験結果が得られていますが,この結果から何が言えるのか?もし,情報群のネットワーク構造が一般のWebネットワーク構造と異なると言えるのであれば,情報群ネットワークはどのような固有な構造を持っているのか? また,固有な構造を持つ原因は何か?以上のことに関しての記述があると,より深みのある論文になると思います.
    • 結論について:論旨に一貫性がないように感じられます.背景や実験結果で,情報群のネットワーク構造は,Web ネットワーク全体の構造とは異なることを示唆しておきながら,結論では,「情報群のいくつかの特徴解析においてべき法則が見られた」, となっています.情報群のネットワーク構造が一般のWebネットワーク構造と異なることを主張するのであれば,「いくつかの特徴解析においてべき法則が見られなかった」という結論になるはずです.

【査読者B】

  • 論文の主張に対するコメント
  • 筆者はWWWにおける(Webページネットワークとは異なる)関連 情報群の分析を目標としています。関連情報群の定義が明確 になれば、読者にとって有益であると考えます。
  • 発表において議論したい内容
  • 3節で、リンクにおける種類やノードが持つ情報を考慮した 分析をするべきと指摘されている点は非常に興味深いと思い ます。具体的にどのような種類を想定すべきかなど議論する 内容はいろいろあると思います。
  • 論文の記述における疑問点など
  • 論文中で用いられている「関連情報群」という語は、単なる Webページのネットワークとは違うという意図で用いている と思うのですが、現状の実験結果からはその違いがよく分か りませんでした。
  • 論文をよくするためのポイント
  • 他のトピックに関するデータセットで、分布がITmediaと極端に 異なるような分析例があると面白いと思います。また、「おわり に」において筆者が述べられているように、時間的なネットワー クの成長などについて議論されると興味深いと思います。

【査読者C】

  • 論文の主張に対するコメント
  • 「興味関係のリンク」と「参照情報関係のリンク」という分類は,一見するともっともらしく思えますが,自明ではないと思います.少なくともあるリンクがどちらか一方の意味しか持たないということはないと思いますし,また包括性をもっているのかは疑問です.分類の妥当性について若干議論を加えてみてください.
  • 発表において議論したい内容
  • 論文の記述における疑問点など
  • 本文冒頭の文章ですが,電力網・航空網・人間関係等々がネットワークとしてとらえられるようになった時間的順序ですが,この文章では,最後に人間関係がそのようにとらえられるようになったと述べているように読めます.しかし,社会ネットワークに関する記述は,少なくとも1930年代には見られますので,やや問題があると思います.おそらく,数学者・物理学者が関心を持った順序という意味での記述かと思いますが,それではややバイアスがあるように思われます.
  • 表2を見ると,第1位が「Google Yahoo! 検索エンジン」となっていますが,これは,実際にこれらについての「関連性のある」話題があったのでしょうか? それとも,分析対象となったページにそれらの検索エンジンについてのリンクが,必ずしもそのページの話題とは直接関連性がないにもかかわらず貼られていたのでしょうか? 前者であれば問題ありませんが,後者である場合には,そもそもそれらのリンクが分析対象に含まれることが問題ということにはならないでしょうか?
  • 参考文献の表記ですが,姓名の順序が姓−名と名−姓が混在しています.
  • 第2ページ右段第2パラグラフの4行目:「相互に関連しあっている情報結びついてできる〜」とありますが,「情報」と「結びついて」のあいだに,点か助詞が抜けていると思います.
  • 論文をよくするためのポイント
  • 途中で,「興味関係のリンク」と「参照情報関係としてのリンク」を区別しておられますが,その後,参照情報関係だけに分析を限定されています.これだと,いわゆる「情報の流れ」に関するネットワークについてのanother exampleを提示するだけになってしまっており,発見の新しさという点で弱い気がします.もしあれば,興味関係のリンクについても分析し,それらを比較されてはいかがでしょうか.

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Last-modified: 2017-02-14 (火) 11:39:41 (1433d)
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